小説同人誌で良く使われる写真を使った表紙。
イラストが用意できない人の頼みの綱ですが、いざ作ってみるとなんとなく野暮ったいような……といったことも。
この記事では、写真を使った同人誌の表紙をおしゃれに仕上げるコツと、すぐマネできるデザインテクニックをご紹介します。
簡単にできる文字ロゴの入れ方を知りたい方はコチラの記事もどうぞ。
表紙をオシャレにするには『余白』が大事!
早速この記事タイトルの答えですが、見出しの通り『余白』です。
もしかしたら、この記事にたどり着く前にデザインについて色々調べていた方にはすでに見聞きした情報かもしれません。
辞書で調べると余白は「字や絵などが書いてある紙面で、何も記されないで白く残っている部分(※goo辞書引用)」とありますが、デザインにおいては「空間をデザインする」と定義づけられます。
まずは以下の2つの表紙を見比べてみてください。
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/ng2.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/ng2.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/ok.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/ok.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
かなり極端に作ったので、どちらがおしゃれかは一目瞭然かと思います笑
これらの表紙には以下の余白デザインが使われています。
レイアウトによる余白
二つの表紙で一番最初に目に留まるのがこれかと思います。
上の表紙は写真を本全体に目一杯引き伸ばして貼り付けていますが、下の表紙は写真の周りに白い余白がデザインされています。
余白を設けることにより、写真もタイトルも独立し、引き立たせることができました。
しかし、だからと言って紙一面写真の表紙が悪いというわけではありません。次項で紙一面写真の活かし方について説明します。
写真の余白
これは写真自体の構図の話になります。
下の表紙は遠景の構図で空→山→街並みと、密度の高いものと低いもののメリハリが効いていますが、下の写真は街並みのアップとなっており、全体的にごちゃごちゃした印象を受けます。
写真自体にも余白(密度の低い部分)を持たせることにより、洗練された印象を持たせることができます。
今回のように全体的に密度が高めの写真を使用する場合は、前項の『レイアウトの余白』を組み合わせると良いでしょう。
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/f5f14254861b0ef341bfb5e5d77f0696.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/f5f14254861b0ef341bfb5e5d77f0696.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
またこの表紙のように、写真自体の余白が十分にある場合は紙一面に配置しても洗練さは損なわれません。
文字の余白
上の表紙は下の表紙に比べ、タイトルやジャンル表記の字間と行間が詰まっています。
また、文字の背景に敷かれている半透明の四角形も文字ギリギリの大きさになっています。
余白が無いと可読性が下がり、伝えたいものがうまく伝わらなくなってしまいます。
文字自体も、字間・行間・文章周りの余白は意識していきましょう。
余白を使ったデザイン一覧
この項では、余白を取り入れたデザインをご紹介していきます。
比較がしやすいよう、デザインに使用する写真は統一していきます。
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/04/4ceb42c05c250daf4e28a67e92c07640.jpg?resize=500%2C334&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/04/4ceb42c05c250daf4e28a67e92c07640.jpg?resize=500%2C334&ssl=1)
今回はこの夜空の写真を使い回していきます。
空の写真は写真の余白が作られている場合が多いので初心者の方にもおすすめです。
素材は写真ACさんよりお借りしました。
一辺に余白を持たせる
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/cef6af8b76345e506d42dedf6a87e51f.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/cef6af8b76345e506d42dedf6a87e51f.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
裏面に約1/3のレイアウトによる余白を入れてみました。
写真自体に余白があるため、表面は一面写真を貼り付けてみました。
二方向に余白
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/2b7c9df3a75830a30dfb174a16a29a10.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/2b7c9df3a75830a30dfb174a16a29a10.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
表は下1/5ほどの余白、裏は右下に余白を入れてみました。一枚の写真を左上に配置した様な形になります。
表と裏で写真が占める割合を変えることで、どちらがメイン(表)になるか一目でわかるように余白をデザインしました。
三方向に余白
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/c6664a0ad6fef97a0189d1eb3062337a.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/c6664a0ad6fef97a0189d1eb3062337a.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
表・裏共に三方向に余白を設けてみたパターンです。
三方向になるとかなり余白も多くなりますが、一つの画像を表と裏でまたいで使えるので意外と使い勝手は良いです。
四方向に余白
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/0a67bfb324c0d7859f840226835f014a.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/0a67bfb324c0d7859f840226835f014a.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
一枚の写真を分割し、大きさを変えて配置しています。
写真を2枚用意して表と裏で別々の写真を配置するのもアリです。
写真を変形トリミングする
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/5e4adbbb1e7df4527a75282080059cfe.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/5e4adbbb1e7df4527a75282080059cfe.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
四方向に余白を入れたデザインで、写真の角を切り落としてみました。
タイトルの枠線と裏表紙の写真の形をリンクさせたのがポイントです。
写真を変形トリミングする2
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/bd1657f4e8ae6d14a2ef07dd9f0b6539.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/bd1657f4e8ae6d14a2ef07dd9f0b6539.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
こちらはタイトル周りをトリミングした例です。
裏面は、下図のイメージで上下でブロック分けをして、それぞれのブロックに文字と写真を配置しています。
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/6508b12e081c21fd27e3569995caac26.jpg?resize=251%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/6508b12e081c21fd27e3569995caac26.jpg?resize=251%2C357&ssl=1)
全体のバランスの関係で写真はやや上に配置してますが、文字はブロックのほぼ中心に配置されています。
グリッドレイアウト
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/5e77e12619787d237e1628002e307a31.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/5e77e12619787d237e1628002e307a31.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
写真をグリッド(格子状)に配置する手法です。
関連性のある複数の写真を組み合わせて配置するのもアリです。
グリッドレイアウト2
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/ecbb641b0ef1430db4209edc818556d7.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/ecbb641b0ef1430db4209edc818556d7.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
大きな写真と小さな写真2枚のレイアウトです。大きな写真のワンポイントとなる部分を抜き出して配置しています(この写真あまりワンポイントとなる要素がなかったですが…)。
大きさの違う写真を並べる時、縦と横の余白は少し変えると良いでしょう。
図形やエフェクトを加える
余白を意識するとオシャレになるのはわかったけど、同人誌はやっぱ華やかな方がいい!という方に。
今まで紹介したレイアウトに一手間加えてみました。
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/be68c2acd1b531553669456d11e11b6d.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/be68c2acd1b531553669456d11e11b6d.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
端末の環境によってはつぶれて見えなくなってるかもしれませんが、キラキラのエフェクトをまぶしてみました。
余白の良さを残しつつ華やかさが追加されました。
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/95da123c7d23711d8b91626b31f7371b.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kumakobo.info/wp-content/uploads/2022/05/95da123c7d23711d8b91626b31f7371b.jpg?resize=500%2C357&ssl=1)
ワンポイントに図形を入れた例です。
図形の色は写真に使われている色をスポイトで取るか、類似色を使うと統一感を出すことができます。
まとめ
筆者が初めて「余白は意図したデザイン」と意識した時、レイアウトの見方ががらりと変わったのを記憶しています。
初めは難しいかもしれませんが、色々なデザインを見て勉強していきましょう!
簡単にできる文字ロゴの入れ方を知りたい方はコチラの記事もどうぞ。
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